編集の学校/文章の学校

HOME修了生の活躍活躍21~30

受講申込はこちら

前職日本語教師から転身エッセイスト&ライターへ

佐々 涼子さん
「街を歩いてエッセイを書こう」修了

RYOKO SASA
早稲田大学法学部卒。20代後半で日本語教師となり、家族の転勤にともない国内各地の日本語学校や小学校などで教壇に立つ。編集の学校修了後、30代後半でライターデビュー。単行本、雑誌、インターネットサイトで活動。現在は、新宿歌舞伎町駆けこみ寺の発行するウェブマガジンの編集・執筆を担当。

実績がない人に書く仕事は任せられない、と言われ、んじゃ、どうすりゃいいのよ、と。
「書けることを証明するには自著だ!」と、企画書売り込み。

前職は日本語教師でした。引越しを機に仕事をやめフラフラしていたとき、編集の学校の説明会にぶらっと寄ってみたのが、今の仕事につながっています。

「もしライターになるなら人間模様が描きたいです」と、(今にして思えばちょっとズレたことを)学校スタッフに言ったところ、勧められたのがエッセイコースでした。このコースは仕事を得ることより、個性を伸ばすことを第一に考える講義内容。授業では、とにかくいいところをほめてくれる感じでしたので、うれしくて、楽しくて、ストレスもなくて、という状態で、あっという間に講座は終了。ところが、編プロにバイトに行っても私に文章を書かせてくれません。書かせてくださいとお願いすると、「あなたがどんなものを書くのかわからないのに書く仕事を任せられない」と言われ、ガーンとショックでした。書かないと書かせてくれない。んじゃ、どうすりゃいいのよ、と本当に途方にくれました。

そんなとき編集の学校で、企画のたまご屋さんの代表吉田浩さんの講義がありました。吉田さんは「自著は簡単に出せます」と。驚くと同時に、書けることを証明するにはまずは自著だ!と思い切って企画書を送付。それがなんと、出版社の目にとまり、めでたく出版の運びとなりました。

今回のエッセイは、最初の望みどおり、オモロおかしい日本語学校の人間模様を描いています。ここに出てくるのは、がんばっているんだけど、努力が妙にヘンな方向へといってしまう人たちばかり。日本語しか話せない日本語教師の私と、個性伸ばしっぱなしの外国人の生徒さんたちとの日々を、楽しみながら読んでもらえると思います。4コマ漫画、それに、やってみると案外難しい日本語問題つきです。これからも、ちょっと不器用だけど愛すべき人たちを描けていけたらなあと思っています。

『ミケと寝損とスパゲティ童貞 サクラの国の日本語学校』(佐々涼子著 万来舎 12月発売)

前職コピーライターから転身ライターへ

大江 有起さん
「編集者・ライター養成 基礎コース」修了

YUKI OOE
長年派遣の事務職をした後、30代になって「好きなことを仕事にするのは今しかない」と思い、コピーライター学校通学後広告制作会社に勤務。その後出版社で編集アシスタントをしつつ編集の学校に通う。在学中に学校の求人で、『100万人のキャンドルナイトの楽しみ方』本執筆の仕事を得る。現在講談社でグルメ関係のムックを制作中。

本の取材執筆を1ヶ月足らずで。しかも在学中だったので課題をこなしながら完成させなくてはならず、朝昼夜休日PCに向かっていました。

コピーライターの仕事をしながら、ふと出版の方はどうなんだろう?と思ったのが、編集の学校に通学するきっかけです。もともと本が好きだったのもあって、現場の話は面白くて興味津々。課題もやっていて苦ではなかったので、もしかして自分に合っているのかもしれないと思うようになりました。

求人情報は在学中からいくつかメールできていたのですが、ちょうど当時やっていた仕事が終わるタイミングで出合ったのが、本の執筆の仕事。内容は、キャンドルナイトというイベントについてでした。まず、全国各地で行われているこのイベントの中から面白そうなものを30件ほどピックアップ。その後、電話で取材交渉、画像データをもらう手配、電話取材、執筆……。これらを1ヶ月足らずで、しかも在学中だったので課題をこなしながら完成させなくてはならず、朝昼夜休日PCに向かっていました。そんな苦労があった分ゲラがあがってきたのを見たときに、すみっこに自分の名前が入っているのを発見したときは嬉しかったですね。

それまでやっていた広告は基本無記名だったので、自分の書いたものに名前が載ることはありませんでした。やはり、自分がやったものに名前が載るのはいいものです。出版ならではの良いところだなと思いました。でも満足できないものを作ってしまった場合でもクレジットが入ることを考えると、ひとつひとつの仕事をしっかりやらないと、と思いましたし、責任の重さも感じました。

この本の仕事が終わってまもなく、再び学校の求人で講談社のグルメムックの急募の求人に応募しました。急募だけに翌日には打ち合わせをしていましたね。実際にお店に行って取材するというのは初めてだったので、商品撮影の際などカメラマンへの指示出しもライターがきっちりしなくてはいけない、という現実も学びました。半月で60件は取材したでしょうか。キャンドルナイトの本の時はやわらかい文体で書くという指示があったのですが、それをひきずって書いていたら「~だそう。」というような曖昧な表現はやめてくださいと言われ、これが媒体によっての書き分けということか……と実感したことも。

今後は色々な媒体で仕事をしてみて、その中で自分に合っているものを見つけ、そのジャンルを専門分野として磨いていけたらと思います。今回たまたま学校の求人に縁がありましたが自分でも営業をかけていかないと、というのが目下の課題ですが、基本ヘタレなので、学校で仲良くなった友人にやる気とパワーをいつもわけてもらっています。こんな仲間ができたことも学校に行った収穫のひとつだと思っています。

『100万人のキャンドルナイトの楽しみ方(PHOTO BOOK)』(by雷鳥社キャンドルナイト編集部 雷鳥社 11月発売)

発売 電子書籍『準備ゼロからお葬式』

お葬式の「わからない・困った・どうしよう」を解決します。
au one Market、 Android Market(12月現在)にて販売。

「評論・ノンフィクションを書く」修了生葬送ライター柿ノ木坂ケイさんの電子書籍新刊。
不幸直後にすぐやるべきこと、葬儀社の選定方法やお葬式後に必要なことなど、はじめての方が後悔しないお葬式を出すための手順・ノウハウを時系列のステップごとに解説。
お葬式の「わからない・困った・どうしよう」を解決します。
「お葬式のながれ」「通夜、葬儀、告別式のちがい」「とりあえず用意すべきお金」「葬式費用目安の出し方」「お葬式担当者の力量を知る方法」「葬儀社をネットで探すときの注意点」「喪主あいさつのタイミング」・・・・。
お葬式チェックリスト、これからやることフローチャート、見積書3パターンの実物&読み方ガイド付き。
au one Market、 Android Market(12月現在)にて販売。

『準備ゼロからお葬式』(著・柿ノ木坂ケイ メディアファクトリー 450円)
https://market.android.com/details?id=jp.co.mediafactory.osoushiki.mcbook&feature=search_result

発売『緊急対談 大恐慌情報の虚(ウソ)と実(マコト)』

欧州、アメリカ、そして中国をはじめとする新興国が抱える経済的問題について専門家が対談。
修了生が編集しました

「ユーロの混迷は果てしなく続く」「混迷する大国アメリカの病巣をえぐる」「貸し剥がし にあう中国・新興国」「日本の実力 を過小評価するマスコミ」など、日本を含む世界金融市場をとりまく危機について専門家が語ります。

『緊急対談 大恐慌情報の虚(ウソ)と実(マコト)』(著・三橋貴明 渡邉哲也 ビジネス社 1,470円)
http://www.business-sha.co.jp/content/book_787.html

前職 食品メーカーから 転身 勤務続行兼業ライターへ

江良与一さん
「評論・ノンフィクションを書く」修了。「ノンフィクション・ゼミ」受講生

ERA YOICHI
群馬県出身。大学卒業後、宣伝部に配属されることを夢見て食品メーカーに就職するも、挫折。会社勤務を続けながらも、何かを表現したいという欲求を抑えることが出来ず、2009年に「文章の学校/編集の学校」の門をたたき、二年間のゼミ受講を経て2011年9月よりネット上のサイトで取材記者としての活動を開始。

自分の文章が『公的』なものとして、リリースされることに無上の喜びを感じています。

編集の学校/文章の学校の第一の「効用」は、自分の文章を客観的に評価してもらえるところ。ブログなどで文章を書きっぱなしにしておくだけでは、どうしても独りよがりになってしまいます。講師の切通先生のみならず、読者目線で受講生仲間からいろいろな意見をもらうことは非常に参考になります。
第二の効用は求人数の多さと面倒見の良さ。毎週の様に求人のお知らせを送ってもらえますし、履歴書の書き方、特に「アピールすべきポイントは徹底してアピールすべし」というアドヴァイスがありがたかったです。アドヴァイスにしたがって履歴書を書き直したら、途端に採用が決まりました。

私が記事を書いているオンエアナビというサイトは、まだ生まれたばかりなので、このサイトの仕事一本で食っていく、という状態にはほど遠いギャラしかもらえませんが、自分の書いた文章が「メディア」に載る、という喜びはなにものにも代え難いですね。当面は銭カネの問題ではなく、自己を鍛錬するために書き続けて行こうと思います。
まだ始めたばかりなので、兼業ライターとしての苦労などについては語れるほどの経験はありませんが、取材先との時間調整が一番難しいです。特に飲食店の場合は通常の会社勤務が終わった後に取材に応じてもらえることはまずありませんので、いかに休日をうまく使うかがポイントになります。実際に執筆する時間は工夫次第でいくらでもひねくりだせると思います。私は、朝5時頃起きて1時間ほどで大体一本記事を書き上げます。なんだかんだ言っても一日仕事をした後は、疲れちゃってますから、脳がクリアな状態のうちに考えを全部吐き出しておき、夜は見直す程度にしておく方がよいと思いますね。
今は活動の場が限定されていますが、これを一つのステップとして、いずれは筆一本で食っていく、という生活を目指したいと考えています。

前職 主婦から 転身 ライターへ

山下晶子さん
「編集者・ライター養成 基礎コース」修了

YAMASHITA AKIKO
1981年生まれ。大学卒業後、一般企業で2年間勤務。学生時代から夢だった海外生活をするために25歳の時に1年間フィリピン・マニラで暮らす。滞在中に文章を書く仕事に興味を持ち、帰国後、編集プロダクションに入社して旅行ガイドブックの編集に2年間携わる。結婚を機に退職し主婦に。2011年4月から半年間編集の学校に通い、30歳を機にライターとして活動を始める。

ライターとしての初仕事がまさかの海外取材!
いつどこでチャンスがやってくるかわからないので、常にアンテナを張ってフットワークを軽くしておくことが大事。

編集プロダクションで働いた経験があるのになぜ編集の学校に入ったか?
それは、今までのキャリアがどれほどのものなのか、客観的に知りたかったからです。勤めていた編集プロダクションは社員が数人で業務量も多く、未経験でも試行錯誤でやっていかざるを得ない環境でした。もちろん経験にはなりましたが、自己流でやっていた部分が多かったため、他社や他の媒体で自分のキャリアがどこまで通用するのか疑問を感じていました。そこで、一度これまでの仕事を振り返り、場合によってはリセットし、次のステップに向けてブラッシュアップしたいと思って受講しました。
受講にあたり、講座終了後のプランや目標はとくに決めていませんでした。講義を通じて、「自分は本当にまた出版業界で働きたいのか?」「もしやるなら編集者か?ライターか?」「就職するのか、フリーでやるのか?」というモヤモヤした気持ちを見極めたかったので、半年後に自分がどういう選択をするのかというのも楽しみに通っていました。

講義はどれも目からウロコがボロボロ落ちるほど新鮮で中身の濃い授業ばかりでした。
かつての仕事を振り返り、「あの時こうすればよかったのか!」「企画ってこうやって立てたらもっと説得力があったかも…」と、今さらながら悔やむことが何度あったことか…。わからないことは遠慮せず質問し、課題は必ず出して講評してもらい、時には他のクラスの授業を聴講しました。いろいろな媒体に携われてきた講師、スキルアップのために受講している編集経験者、これから業界を目指す受講生との出会いはいい刺激になり、一番の収穫でした。講義で学んだことも大事ですが、それ以上に出会いやつながりをつくる場として、学校の存在は大きかったです。

初めての仕事は、学校からの紹介でした。
講座も終盤に入りかけた頃、旅行会社のウェブサイトに掲載するセブ島のホテル取材の仕事を紹介されました。ライターとしての初仕事がまさか海外取材になるとは思ってもいなかったので驚きましたが、それがかつて住んでいた国だったので不思議なご縁を感じ、「これはチャンス!!」と思ってすぐに飛びつきました。4日間で27軒のホテルを取材するというハードスケジュールで、帰国後は納期までに原稿書きが待っていたので、大変といえば大変でした。でも、27軒もホテルめぐりをしてスタッフの話を聞けるチャンスなんて滅多にないですし、各ホテルの魅力をどんな構成でどうやって表現しようか考える作業はやりがいがありました。いつどこでチャンスがやってくるかわからないので、常にアンテナを張ってフットワークを軽くしておくとよいと思います。あとはなんとかなる、というか、なんとかするんです。

「自分を形成するコアなもの、自分の武器を大事にして、それをアピールする生き方をする」。これは、講義で印象に残った言葉のひとつです。
OL×海外生活×旅行ガイドブックの編集×主婦の経験の相乗効果をどう生かしていくかはこれからの自分次第であり未知数ですが、3年後、5年後、10年後にどんな環境に身を置いているか楽しみでもあります。ご縁やチャンスを大切に、まずは目の前のやるべきことをひとつずつこなして仕事の幅を広げていきたいと思っています。

前職 web制作会社社員から 転身 小説&シナリオライターへ

丸山智子さん
「編集者・ライター養成 基礎コース」修了

MARUYAMA TOMOKO
大学卒業後、web制作会社に就職。ディレクションを担当する傍ら、知人の紹介でライターとして仕事をはじめ、当初は広告をメインに活動。その後フリーランスとなり、2008年から携帯小説を執筆。2009年より『恋人は同居人』のシナリオメインライター。

自分がシナリオを書いた、ゲームの攻略法をブログで発見したり、SNSの中に自分の携わった作品のコミュニティがあったりすると、がんばろう!という気持ちになりますね。

ゲームのシナリオを執筆するようになった直接のきっかけは、編集の学校の求人でした。最初は携帯小説ライターとして応募をし、1年ほど執筆を続ける中、ゲームシナリオのお仕事もいただくようになったのです。月30000字のシナリオからスタートし、一番長いもので100000字のシナリオを担当したことも。レギュラー物のほかにSNS版やイレギュラーアプリのリリース等が重なると、ボリュームは相当なものになります。でも、自分がシナリオを書いた、ゲームの攻略法をブログで発見したり、SNSの中に自分の携わった作品のコミュニティがあったりするとやはり嬉しいですし、頑張ろう!という気持ちになりますね。
現在はキャラクターの香水やアクセサリー、ボイスドラマCD、ファンブックなど、グッズ展開もしています。そういったグッズを実際手にすると、自分がパソコンに向かって書いたはずのシナリオが、いつの間にかどんどん広がってたくさんの人の元へと届き、その結果として商品化にまで至っているのだなと不思議な気持ちになります。自分の子が、知らないうちにうんと大きくなっていた、というような…。例えるなら、そんな気持ちかも知れません。

担当者とのやりとりの中、一度フィナーレを迎えたシリーズの続編が決まったり、サブキャラのリリースが決まったり……と話が膨らんでいくのも、感慨深い経験でした。栄枯盛衰の激しい携帯ゲームというカテゴリにおいて、私は2年に及び『同居人』のメインライターをさせていただいています。これは担当者の熱意と、ユーザの支持があってこそのこと。ゲームシナリオデビュー作でこういった作品とめぐり逢えた私は、とても幸運だったと思います。それと同時に「ユーザに喜んでもらえる作品を提供しなくては」という責任とプレッシャーも、いつも感じていますね。

小さな頃から漠然と「文章を書く仕事がしたい」と思い続け、現在に至っている私ですが、大切にしてきたことを改めて考えてみると“人と人とのつながり”に尽きるかな、と思います。編集の学校から紹介していただいたクライアントをはじめ、その他、仕事関連で知り合った方たちとは、長くお付き合いさせていただいているケースがほとんど。そういったつながりが、仕事の幅を広げてくれたように思います。そしてどんな仕事でも、その他の仕事にいい影響を及ぼしてくれるのが、ライターの仕事の面白さのひとつ。一見、まったくジャンルが違うような取材の仕事や、ゲームのシナリオの仕事、資料ベースのリライトの仕事も、不思議と影響し合っているんです。「こういう風に要約を入れると分かりやすいのかな?」とか「もう少しドラマティックに書いてみよう」とか、ふとした時にライティングのコツのようなものが、自分の中に蓄積されていく。だから、ライターの仕事は奥が深く、やめられないのです。

発売『ザック・ジャパン完全ガイド SAMURAI SOCCER SPIRITS』

「識者が考える日本代表」のページには、他媒体の編集者である修了生も登場。読みごたえある1冊です。

「編集者・ライター養成基礎コース」 修了生が編集長を務めている雑誌です。
◆【サムライたちの原点】本田圭佑/長友佑都/内田篤人/川島永嗣/森本貴幸/李忠成/前田遼一/森脇良太/柏木陽介/槙野智章◆【SPECIAL STORY】香川真司/リオネル・メッシ◆【SPECIAL INTERVIEW】「三浦淳寛 × 福西崇史」元日本代表がザック・ジャパンを分析! ほか。

『ザック・ジャパン完全ガイド SAMURAI SOCCER SPIRITS』(晋遊舎MOOK 2011年6月17日発売)

発売『dancyu コンビニ&外食ダイエット』

「食事はもっぱら、コンビニか外食」といった方でも、太らない「やせテク」満載。食品のチョイス法を知ればダイエットできます。

「評論・ノンフィクションを書く」コースの修了生が編集しました。「牛丼なら肉1.5倍盛を」「タンメンよりチャーシューを」など、具体的食事術がたくさん載っています。ダイエットしたいと思っている方や、健康的な外食をしたいと思っている方におススメです。

『dancyu コンビニ&外食ダイエット』(プレジデント社 2011年7月6日発売)

発売『必ず復興する日本のシナリオ』

「編集者・ライター養成 基礎コース」「小説・シナリオを書く―初級」修了生が編集しました。発売1カ月経たずに増刷に。

東北が必ず復興する3つの理由、原発騒乱と電力危機、日本大復活へのカギ、敗戦を乗り越えた日本人のパワーなどを経済評論家・国際エコノミストの長谷川慶太郎さんが書き下ろしました。

『必ず復興する日本のシナリオ』(長谷川慶太郎著 ポプラ社 2011年6月30日発売)

ノンフィクション、フィクション 両分野で仕事はじめました

西尾希未さん
「小説・シナリオを書く―初級」「編集者・ライター養成基礎コース」修了

NISHIO NOZOMI
1988年生まれ。「文章」に関わっていきたいという想いから編集の学校へ。「編集者・ライター養成基礎コース」修了後、「小説・シナリオを書く─初級」を受講。現在、大学に通いつつ雑誌の編集アシスタントとゲームのシナリオ執筆で文章に関わり中。

文章を書いて生きていきたい、と思った瞬間から、それは夢や憧れではなく目標、それも必ず達成しなければいけない目標になりました。

雑誌の記事やインタビューなど事実に基づいた文章と、創作の文章。この2つは同じ文章でも全く別のもので、私がずっと書いていたのはどちらかと言えば後者でした。
創作が好き、物語が好き、自分の手でお話を生み出すのが好き。けれど何より、書くことが好き。私にとっての文章は自己表現であり、逃げ場であり、支えでした。我ながらなんとも大げさだとは思いますが、実際幼い頃から今を振り返ってみても、「物を書いていない」自分はまったく想像できないのです。

そしてこれは友人にも指摘される私の悪いクセなのですが、一度これ、と思ってしまうと他のものが見えなくなってしまうタイプ。文章を書いて生きていきたい、と思った瞬間から、私にとってそれは夢や憧れではなく目標、それも必ず達成しなければいけない目標になりました。
編集の学校に通うことを決めたのは、とにかく文章を職業にするための足がかりが欲しかったから。最初に「編集者・ライター養成基礎コース」を選んだのは創作に縛られて視野を狭めてしまっている自分を、どうにか変えたかったからです。

講義は毎回本当に楽しく、課題もわくわくしながら取り組んだのを覚えています。様々な視点で編集という仕事を見ることができ、あらゆる方向へ興味を向けるようになりました。
修了を前にしてももう少しこの学校で何かを学びたい、という想いは強く、再度学校のwebサイトを見ていた時に見つけたのが「小説・シナリオを書く─初級」です。やっぱり創作なんだなぁ、と惹かれる自分に苦笑しつつ、迷った末に受講を決意。決め手はどちらかと言うと、シナリオというジャンルを学べるところでした。

受講中に届いた学校の求人をきっかけに、今、2つの媒体で仕事をしています。一つは3月に創刊された『SHUTTER magazine』という写真&カルチャー雑誌。ここで編集アシスタントをしています。もう一つが、ネットコンテンツ制作会社の携帯ゲームのシナリオ執筆。結果、現在は冒頭に述べた2種類の異なる文章に、それぞれ関わっていることになります。ゲームシナリオの仕事はちょうど講義の期間中にお話がきたこともあり、選考に向けて先生にアドバイスを頂くこともできました。

運もタイミングもとてもよかったのだと思います。こうして文章を書く機会を頂けていることは、本当にありがたいです。誇れるところがあるとすれば、これはチャンスだ、と思ったことに全力で向かっていったこと。それから、何がなんでも書くことに執着していたことでしょうか。
今はまだ学生で、この先が明確に決まっているわけではありません。けれどこの学校で手に入れたチャンスは絶対に生かし続けていくつもりです。そしてどの道に進んでも、きっと私は文章に関わり続けていくのだろうと思います。

発売 韓国で本を出しました

佐々涼子さん
「街を歩いてエッセイを書こう」修了

SASA  RYOKO
1968年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、日本語教師を経て5年前よりフリーライターとして活動をはじめる。新宿歌舞伎町駆けこみ寺のwebスタッフを務めるほか、『High Photo Japan』(雷鳥社)『月刊日本語』、『日本語教師になろう』(アルク)などで取材記事を執筆。単行本では単著『ミケとネルソンとスパゲティ童貞』(万来舎)ほか、共著として『フォトグラファーズ―写真を仕事にする幸せ』(雷鳥社)『週末セラピー』(スタジオセロ)などがある。

企画に正解はない。どこかに出口はないかと探ります。
日本で出ないなら、韓国で出せばいいと思った。

単行本では8冊目、単著としては2冊目となる本が5月に韓国で出版されました。不夜城・新宿歌舞伎町を舞台とした『玄秀盛が行く!』(茶飯)です。売春強要、男性への強姦、夫の失踪、DVなど、公的機関では解決できない現代の問題を描きながら、現在歌舞伎町で駆けこみ寺を主宰する玄秀盛さんの壮絶な過去を追って、大阪釜ヶ崎、京都、神戸、赤坂と、4年間の取材を重ねて書きあげたノンフィクションです。『朝鮮日報』や、『週刊朝鮮』にも特集記事が出ました。

この本の原稿を書き終えたのは去年の初めのことです。しかしどの出版社でも高い評価をいただきながら、すでに類書が多数出版されているという理由で出版まで至りませんでした。
その頃、偶然キネマ旬報で話題になっていた韓国映画『息もできない』を観に行き衝撃を受けます。画面にあふれていたのは、玄さんを彷彿とさせる若者の、身をよじるような家族への思慕と、彼にとっての「言葉」ともいえるすさまじい暴力だったのです。この監督と私は同じものを見ている、私の原稿を韓国の人ならきっと受け入れてくれるはずだ、と確信しました。この映画と出会った瞬間、ずっと考えていたパズルが解けたような気がしたのです。<玄秀盛さんの本はすでに類書がたくさんあるから日本じゃ出版されない。なら、いまだ類書の出版されていない韓国で出せばいいじゃないか>と。その後、韓国の出版エージェント、イヤギエージェンシーを探し出してお願いし、この出版が実現しました。

ちまたにあふれる情報は「高速道路」ともいえるエリート街道への乗り方ばかりですが、実際の人生はパリ・ダカールラリーのように道なき道を行くゲーム。企画も同様に、正解はありません。どこかに出口はないかと縦に切ったり、横に切ったり、斜めに切ってみたら、案外通るかもしれません。もちろん、通らないかもしれませんけど。

『週刊朝鮮』web
http://weekly.chosun.com/client/news/print.asp?nNewsNumb=002158100005&ctcd=C07

『朝鮮日報』web
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2011/06/01/2011060100034.html

『玄秀盛が行く!』を紹介したネット書店
http://www.yes24.com/24/goods/5163088?scode=032&OzSrank=1